世界を征服できるのは愛と美
アジアの永遠の歌姫、テレサ・テン(鄧麗君)を偲ぶブログ記事が、3月9日の中国ブ
ログサイト・捜狐博客に掲載された。作者は北京在住の男性。
当時の乾ききった中国人の心に人間らしい感情を呼び覚ましてくれたと回想している
。以下はその概略。
鄧麗君がこの世を去って15年になるが、いまだにその人気は変わらない。鄧麗君は
音楽界の女王だ。「“老鄧”(鄧小平)は統一の夢が叶えられなかったが、“小鄧(鄧
麗君=テレサの中国名)は中台のみならず東南アジアの統一を成し遂げた」という言
葉を台湾で聞いたことがある。異なる文化背景と信仰を持つ人々が、鄧麗君の歌声
のもとに統一されたのだ。
中国本土で鄧麗君の歌声が聞かれるようになったのは、1977年頃から。鄧麗君の
歌声は文化大革命の模範劇や歌曲を転覆するものだと否定する人もいたが、穏やか
な雨と風は砂漠にとって「転覆」とは言わない。これは征服ではなく、覚醒だ。鄧麗君
は我々の心の奥深くに眠っていた人間らしさを呼び覚ましてくれた。砂漠のように荒
涼とした心に魂を吹き込んでくれたのだ。
闘争も革命もない。そこにはただ愛や気持ちを語る世界が広がっていた。世界中の中
国人が鄧麗君の歌に染まり、陶酔した。生活と愛、音楽と美が中国人の心に蘇った。
中国にようやくモノが溢れだした1980年代。我々はついに人間らしい生活を手に入
れた。鄧麗君の歌声は改革開放のBGMであり、文化を蘇らせる起爆剤でもあった。
鄧麗君は我々に世界を征服できるのは「愛と美」だけであるということを教えてくれた
のだ。
(2010.03.12ブログサイト・捜狐博客)
